内科医Bです。
先日、株価が暴落したローソン(2651)の株を10万円以上の大きな含み損を抱えながら損切りしました。
逆張り投資の失敗例として、とても勉強になったので今回はそれを記事にします。
ローソン(2651)の株価暴落までの推移
(出典:Google Finance)
2000年7月に上場して以降、順調に出店舗数を伸ばし株価は上昇、2016年2月に最高値10280円を付ける。
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下記の悪材料から3年以上ずっと軟調に推移。
- 国内の出店余地の縮小に伴うその他の大手コンビニやドラッグストアとの競争激化
- 店舗運営効率化のためのシステム開発費やローソン銀行開業のコストによる収益悪化
- 人口減少による人件費上昇
- 海外展開やプレミアムブランドの育成でセブンイレブンに遅れをとる
- 24時間営業見直しの流れと迫る消費増税による景気悪化の懸念
※私見です。
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今回4月11日大引け後に発表した2019年2月期決算が減益で着地し、さらに20年3月期予想も減益、配当も255円→150円へと大幅な減配が見込まれることとなり、翌営業日4月12日には、一時15%安を記録する暴落。
ローソンの株を買った理由
2018年7月に6710円で100株購入しました。
購入を決めた理由を挙げます。
- 株価が2016年2月の最高値から30%下がっていて割安と判断した。
- 株価が下がった理由を、店舗運営の合理化やローソン銀行の開発費という前向きな先行投資による一時的な収益悪化によるものと判断し、いずれそれが功を奏せば収益が回復に向かうと考えた。
- これまで18年減配した実績がなく、その時点の配当利回りが3.8%程度と自分の基準をクリアしていた。
- 内需の小売りセクターに属する比較的リスクの低いディフェンシブ銘柄と判断していた。
振り返ってみる
購入を決めた理由を一つ一つ振り返ってみます。
- 株価が2016年2月の最高値から30%下がっていた。
→ そもそも自分に適正な株価を見極める能力はないので、直近下落していてもそれが割安かどうかは判断できない。 - 株価が下がった理由を、店舗運営の合理化やローソン銀行の開発費という前向きな先行投資による収益悪化によるものと判断し、いずれ収益が回復に向かうと考えた。
→ 前向きな先行投資の効果が出てくるのがいつかは予想できないし、そもそも効果がでず失敗に終わる可能性も想定すべき。 - これまで18年減配した実績がなく、その時点の配当利回りが3.8%程度と自分の基準をクリアしていた。
→ 減配したことがないことが今後も減配しない保証にはならない。 - 内需の小売りセクターに属する比較的リスクの低いディフェンシブ銘柄と判断していた。
→ 株式である以上、当然相応のリスクはある。
改めて整理すると、
“ 株価が下落基調で高配当利回りとなっている株を保有して、いずれ株価も切り返すだろうからそれまで配当をもらいながらゆっくり待とうと考えていたら、株価の下げは止まらず、しまいに減配を発表して、それを機に株価はさらに暴落する ”
という典型的な逆張り投資の失敗パターンであることがわかります。
“人の行く裏に道あり花の山”ではないですが、私はなんとなく順張り投資よりも逆張り投資の方がセンスが良いような印象を持っていました。しかし改めて考えると、逆張り投資は、株価が下落基調のときに購入しています。株価が下落しているということは市場参加者の多くが先行きに期待以上の不安を感じて株を売っているということです。そういう状況ですから、その先どこまで下がるかわからないですし、企業がその逆境に上手く対策を打てなければいずれ減配して、最悪倒産することも考えられます。このリスクをあまり想定できていなかった気がします。
もっと早く損切りすることができたか
例えばローソンの配当金と配当性向の推移をみてみましょう。
(出典:ローソンホームページ)
配当性向が徐々に上昇傾向で、第44期には減配はしていないものの8年継続した増配をストップしており、余裕が無くなってきている状況は推察されます。ただし、これが先行投資に伴う一時的な収益の悪化で、近いうちに持ち直すのか、想定よりも状況が厳しく減配が差し迫っているかを個人投資家が正確に判断するのは難しいように思います。
教訓
今回特に実感を持って再認識させられたのは、投資初心者にはファンダメンタルズの分析も先のことを予測することもほとんどできないということですね。評論家やアナリストの予想も良く外れているのですから、そりゃそうです。投資初心者はその前提に立って、リスクを低減できるためにできることを考える必要があります。今思いつくのはこれくらいです。
1.投資する前にある程度調べて、不祥事を起こしていないか、あるいは期待が先行しすぎて過熱感が明らかな状況(PERが極端に高いなど)にないかなどはチェックして、素人目にも失敗のリスクが高い企業への投資することは避ける。
2.一発で致命傷を受けるような事態だけは避けるように、適切なキャッシュポジションを保って、複数の業種の多数の銘柄に分散して投資すること。
今回のローソンへの投資の失敗で逆張り投資の難しさを再認識しました。いまだに長期的には日本の大手コンビニは有望な投資先である気はしてるんですが…。